このように、安易な自由化、規制緩和は投機の蔓延を通じてレバレッジを拡大させ、金融リスクを拡大させる。一方で、当局は問題の所在や監督管理の重要性を理解している。中国の株式市場、金融市場は発展途上にある。中国は社会主義国であり、本質的に市場に対するそのコントロール力は強大である……。いろいろな点で、中国市場は先進国とは大きく異なっている。
本土株式市場、金融市場において、大きな変動があった場合、その原因がクローズアップされよう。中国の現状をよく理解できていない海外の投資家は過剰反応する可能性がある。それこそが中国リスクの実態である。
文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。ブログ「中国株なら俺に聞け!!」、メルマガ「週刊中国株投資戦略レポート」も展開中。