iDeCoで投資信託を選ぶべき理由
ただし、あくまでも運用するのは「投資信託」のみにしたほうが安心かもしれない。
「iDeCoには投資信託のほかに、定期預金や積立保険といった『元本保証型』をうたう商品もありますが、これらは増えにくいのに、口座管理の手数料がかかってしまいます。銀行などで“元本保証だから安心です”と言われて信じ込んでいたら、手数料で元本がマイナスになったというケースもあります」
新NISAでの個別株投資(成長投資枠)も、まっ先に手を伸ばすのはリスクがある。企業の事業内容や業績も理解しないまま、株主優待につられて個別株投資に手を出した結果、資産を減らしてしまう人は少なくない。
また、退職金を受け取ったタイミングで銀行などから「外貨建て保険でお金を増やしませんか?」などと勧誘を受ける場合も多いが、金融機関がすすめてくる商品は基本的に手数料が高く、損しやすいと心得るべきだ。ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんが指摘する。
「ごく一部、リタイア後の投資で“億り人”になった人もいますが、もともと投資に回せる充分な額の種銭を持っていたか、投資について自力で猛勉強したかのどちらかです。私の知る限り、他力本願でお金持ちになれた人はいません」
どの運用方法でも共通して言えることは、「絶対に資産を全額つぎ込んではいけない」ということ。
「生活費の7.5か月~1年分は預金として確保した上で、その残りを投資に回してください」(横山さん)
※女性セブン2023年11月2日号