日米の国際競争力を均衡させる為替レートを考えると、1ドル=120円でもまだ高すぎる。ドイツ並みの1ドル=150円くらいで釣り合う計算です」
仮に1ドル=150円まで進めばトヨタの利益がさらに1兆2000億円以上増えるのをはじめ、日本の上場企業全体の利益は5兆円以上増える。それに向かえば株価は沸騰する。
次にやってくるのが地価上昇だ。マーケットバンク代表の岡山憲史氏はこう見る。
「減税や公共事業というトランプの政策は米国の内需を高め、景気をさらによくする。儲かった米国企業から見ると、ドル高・円安によって日本市場は非常に割安になっている。そこで技術力のある日本企業へのM&Aが増え、五輪を控えて日本の不動産もどんどん買われるでしょう。とくに日本は株に比べて不動産価格の上昇が鈍い。トランプバブルによる米国資金は日本の地価上昇の起爆剤になる」
地価の本格的上昇は日本経済にとって円安以上のインパクトを持つ。日本の地価総額はバブル期の2477兆円(1990年)から1118兆円(2014年)と1300兆円も失われた。現在、都心の地価は上がっているが、全国的には横ばいだ。
米国でも2008年のリーマンショックで地価が半値以下に暴落したが、金融緩和によって数年で元の水準まで回復させた。