アメリカ大統領に当選が決まっただけで世界的に爆発的な株価上昇をもたらしたドナルド・トランプ氏。1月20日の就任式が経済や株価にどのような影響を与えるか、注目が集まっている。
もっとも歴代大統領を振り返ると、就任式当日は、大統領選後のお祭り気分から一転、現実路線に舵を切るため演説に派手さがなくなり、株式市場が消極的な反応を見せることが多かった。1953年のアイゼンハワーから振り返っても、上昇したのはジョン・F・ケネディほか4回だけ。もっとも悲惨だったのが2009年のオバマ大統領だ。
「大統領選後の勝利宣言では『チェンジ』や『ホープ』を連呼したが、就任演説ではほとんど使わなかった。マーケットは期待感が出尽くしたと判断して売りに走った」(証券会社幹部)
就任式当日の大統領の一挙手一投足が株価にダイレクトに影響を与えるといえる。
これまで過激発言で注目を集めたトランプ氏は、就任式で何を言い、市場にどんな影響を与えるのか。そしてその時、投資家はどんな行動を取るのか。投資のプロに聞いた。「海外投資のカリスマ」と言われる戸松信博氏(グローバルリンクアドバイザーズ代表)は、就任式をきっかけに「米国発の全世界的な好景気」が始まると予想する。