事務所では高齢者と子供たちが仲良く遊ぶ姿も
「もちろん、どこにでも子供を連れて行くというわけではありません。子供を嫌がる利用者さんだっているはずです。小規模多機能の特性上、利用者さんとの距離が近く、生活の状態や好みについても、きめ細かく把握しやすい。子連れでの訪問についても、歓迎してくれる人か、子連れでも危険のない家か、などを十分に配慮したうえで行なっています」(佐伯さん)
そうした方針で運営されているMUKUの事務所には、子供たちの声が溢れている。事業所を利用する高齢者たちと、仲良く遊ぶし、事務所の掃除なども手伝う。子育てとの両立を目指す職員には子連れ出勤を認めるだけでなく、勤務時間中の保育園の送迎対応なども行なっている。
「施設のイベントに子供たちも普通に参加するし、毎週日曜日には地域の子供たちのための書道教室もやっています」(佐伯さん)
担い手不足が叫ばれる介護業界だが、こうした取り組みの広がりが、より多くの人材確保につながる可能性はあるだろう。
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