消えた行司、呼出のページ
公式カレンダーは「前年の9月場所の番付に準じて構成される」(前出・協会関係者)かたちだが、上位陣の成績が不安定で番付が“ジェットコースター化”しているため、実際にカレンダーをめくって使うタイミングでの番付とのギャップが大きくなっている。
2023年の公式カレンダーは2月と9月にひとり横綱・照ノ富士が単独で登場しているが、照ノ富士が本場所の土俵を15日間皆勤できたのは5月場所だけ。また、3月のカレンダーには“大関陣”として貴景勝、正代、御嶽海が登場しているのだが、正代と御嶽海は2022年のうちに大関から陥落し、今年3月時点では平幕力士になっていた。
2024年のカレンダーも今年の9月場所時点の番付をもとに構成されているが、今年と違うのはひとり横綱の照ノ富士が単独で登場するのが「1月だけ」になっている点だ(今年のカレンダーの1月は八角理事長と幕内上位力士の土俵上挨拶の写真)。若手親方が言う。
「1月場所はまだ横綱として引退はしていないだろうけど、その先はどうなっているかわからないという判断でしょう。照ノ富士は2月のカレンダーに三役陣ら9人と、8月は大関陣と4人と一緒の写真で登場しているが、2月と8月は本場所がない月。しかも複数での登場というのは、照ノ富士が引退していても写真のなかの誰かは活躍しているだろうという保険に見えます。まあ、8月に登場している大関陣も、誰かが大関を陥落している可能性は決して低くないですけどね」
今年のカレンダーはひとつの月に載せる力士の人数は最大でも9人だったが、2024年のカレンダーは最大17人。誰が活躍してもいいように保険をかけているようにも見える。
「また、今年のカレンダーは最後に十両以上の行司と呼出、二等以上の床山の顔写真が載っていたが、2024年のカレンダーでは消えている。式守伊之助が来年1月場所から木村庄之助への昇格が決まっているが、ナンバー2にあたる木村玉治郎が式守伊之助に昇格できなかったためか9月末に電撃退職した。そうした予想外の動きがあって、まとまりきらなかったのではないか」(相撲担当記者)
相撲公式カレンダーから大相撲の大波乱の時代が読み取れるということか。