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「生きる意味を見失っていた…」高樹澪さんが振り返る片側顔面痙攣との闘い 手術を受ける勇気をもらった“たった2秒の握手”

体が回復するにつれ、仕事への意欲も強くなっていったという。右は女優でダンサーの吉村沙羅

体が回復するにつれ、仕事への意欲も強くなっていったという。右は女優でダンサーの吉村沙羅

“推し”があるべき姿を気づかせてくれた

 しかし思わぬところで彼女の気持ちが動く。

「私、『関ジャニ∞』が大好きで、コンサートによく行ってたんです。そのときも失意のどん底にいながら、甥っ子と一緒に彼らのコンサートに行ったんです。親子席だったんですが、うちの甥っ子はハーフだから目立つらしく、コンサート中に近くに来てくれたまるちゃん(丸山隆平・39才)が、甥っ子を見て、『おーお前イケメンやなあ』と声をかけて握手をしてくれたんです。そして、隣にいた私にも微笑みかけながら、握手してくれたんです!

 たった2秒程度の握手で、自分の気持ちが切り替わり、人生こんなに変われるんだ! と勇気をもらいました。『きっと、私の歌を聴いて、誰かがこんなふうに思ってくれていたかもしれない。私ももう一度、ステージに立つ側に戻らないといけない』って思えたんです」

 そこから自分を見つめ直し、手術を受けることを決意。2006年、5時間にも及ぶ手術は無事に成功した。

「私、子役のときから芸能界の仕事をしているから、周囲に甘えられないところがあったんです。でも病気になってから、少しずついろんな人に助けてもらって頼れるようになりました」

 病気が完治し、2009年には芸能活動を再開。2013年には同い年の男性と再婚した。

「彼はIT業界のエンジニアで、芸能界とはまったく違う世界で生きています。私が機械に疎いから、彼と話していると新鮮ですね。

 病気をしてつくづく感じるのは、自分に否定的だと病気を余計に悪化させてしまうということです。私がそうでしたから。でも、助けてくれる人や救ってくれる人がいる。だからこそ、私も仕事で誰かしらの勇気や救いになれればいいなと思っています」

【プロフィール】
高樹澪/1959年生まれ。1981年スクリーンデビュー。映画『アトのセカイ』、『宮古島物語ふたたヴィラ』(いずれも2023年)に出演するなど精力的に活動している。

取材・文/廉屋友美乃 写真/本人提供

※女性セブン2023年11月30日・12月7日号

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