4時間に及ぶ手術が成功した後で考えたこと
大腸がんと診断されてからは、インターネットで病気について調べたという。
「女性に多いがんで、乳がんや子宮がんよりも患者数が多いことをそこで知りました。生存率も調べました。先生からは、死ぬ確率は30%って言われていましたが、その当時は『70%も生きるのか』と、やや楽観的に考えていたんです」
手術は4時間に及んだが、無事成功。切除した大腸は20cmだった。
「もしかしたら、私の入院生活に密着するドキュメンタリー番組があるかもしれない(笑い)と思ったりもしました。そして、何かやり残したことはないかと考えるようになり、手術が無事成功した後で考えたのは、『英語を習い直すこと』だったんです。
私、高校時代に英検2級を取ったんですが、その後、大学の英文科の受験に失敗して以来、ずっと英語がコンプレックスだったんです。だからもう一度、英語を習い直そうと、同じく英語が苦手な友人を誘って、いろんな英会話教室に行きました」
1つの英語教室に120万円を注ぎ込んだこともあった。
「高い授業料を払えば話せるようになるって思っていたんです(笑い)。でも、あまり効果はありませんでした。その後も週5回、オンラインでフィリピン人の先生から英語のレッスンを受け、英会話で著名な先生のところでもレッスンを受けました。なぜ、そこまで情熱を持てたかというと、当時、国際結婚したい彼氏がいたからです(笑い)。
彼とは結婚までには至りませんでしたが、英会話を習って図々しさは身につきました。カタコト英語でも相手とは会話できるし、何よりも伝えたいっていう気持ちがあればコミュニケーションは取れるんですね。街で知り合った外国人とも何度かデートしたことがありますよ」