毎日倹約してもお金が貯まらない人がいる一方で、好きなことにお金を使っているのに生活に困らない人もいる。いったい、両者の何が違うのか? 結局のところ、お金に愛される人とそうでない人のもっとも大きな違いは、お金に対して「自分軸」を持てているかどうかだと、富裕層専門ファイナンシャルプランナーの江上治さんは語る。
「よく“お金持ちはケチだ”といわれますが、彼らはただお金を出し惜しんでいるのではなく、自分にとってお金を出すだけの価値があるかどうかの軸がハッキリしているだけなのです。“大谷翔平選手は高級店での食事に誘われても、睡眠時間を優先するために断った”という逸話と同じ。しっかりした自分軸を持つ人はやりたいことが明白で、そこにお金と時間を集中的に使うから成功するんです」
ゆるぎない自分軸を持つ人は、決してムダな使い方はしない。事実、江上さんの見てきた年収1億円以上の本物のお金持ちほど、ブランド品や高級車を持っている人は少なく、たとえ所有していても、決して人に見せびらかすようなことはしないという。
お金は「人からうらやましがられるセレブでハイソな暮らしをするためのチケット」ではなく、「自分にとっての幸福を得るための道具」だと、理解しているからだ。
サバンナ八木、幸福度の極意は「ものの価値を自分で決めること」
ファイナンシャルプランナー2級の資格を取得した、お笑いコンビ・サバンナの八木真澄も、ものの価値を自分で決めることこそ、幸福度を上げる極意だと語る。
「若手時代に少ない収入でどうすれば幸福度を上げられるかさんざん研究した結果“稼ぎより低いランクで暮らすこと”だとわかったんです。
食べ物ならいちばん安い旬の時期に食べ、居酒屋でもいちばん割安のボトルを頼む。旅行も、いちばん安い時期にいちばん安く行ける方法を探します。最近はLCCの3泊4日ホテルつきツアーに3万4000円で参加しました。
ぼくはもともと、値段の幅のいちばん下を選んで“得した”と感じるのが楽しくて幸せ。コンビニの商品の値段は全国どこも同じなので、日本でいちばん物価の高い東京は“日本でいちばんコンビニが割安”ということになるから、東京にいるときはコンビニを使います。こんなふうに、ものの価値は、自分で勝手に決めればいいと思います」(八木)
実際にさまざまな研究によって、持っているお金が多いからといって、必ずしも幸福度が上がるわけではないことが明らかになっている。もっとも幸福度が高い年収は単身では800万円、世帯では1500万円ほどだとされるが、この金額をピークに、幸福度は上がらないといわれているのだ。