年収1000万円あっても年収2000万円の人と比べれば幸福度は下がる
ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんは「収入や貯蓄の金額にかかわらず、他人と比較すると幸福度は下がる」と解説する。
「年収が1000万円あっても、年収2000万円の人と自分を比べれば幸福度が下がるのは当然です。その結果、何とか承認欲求を満たそうとタワーマンションに住んだり、ブランド品を買いあさったりして、結果的にお金を失う。
本当に幸福度が長続きするのは、他人と比較できる『地位財』ではなく、健康や自由、愛情など目に見えないものがもたらす『非地位財』です。自分が持っているお金をいかに非地位財に使えるかが、幸福度を分けるともいえるでしょう」(黒田さん)
人と比べることなく、金額で測れない幸せを追い求めれば、ムダなお金を使わなくなる──お金に愛される人間になるいちばんの近道は、「足るを知る」ことかもしれない。
お金がなければできないことは多いが、お金があればすべてが解決するわけでは決してない。お金に愛されない人ほど、お金に対して過度な万能感を持っていることが多いと、マネーキャリアプランナーの笠井裕予(ひろよ)さんが言う。
「“私が幸せじゃないのは、お金がないからだ”“もっと裕福な家に生まれていれば、いい大学に行けていい仕事に就けていたのに”“もっとお金をかけないときれいになれない”などと、人生の主役が自分ではなくお金になってしまっているのです」(笠井さん・以下同)