資産は1か月で70万円目減りしたが、帰国するのか?
そうした失敗も経験し、不安定な季節労働ではなく「日本での経験を活かす」ことに思い至る。
「大学を卒業してから8年ほど、関西にあるネジ工場で働いていました。手に職というほどでもないのですが、工作機械を扱うのには慣れていた。英語もやっと日常会話くらいはできるようになっていたので、思い切ってチャレンジしてみることにしたんです」(しょなるさん)
現在はポテトチップなどの製造機を制作する工場で働いている。英語は相変わらず苦手で上司の言葉を聞き取れないこともあるが、仕事はきっちりこなし、稼ぎも得られている。
ただし、直近の円高反転はしょなるさんの資産にも影響を与えている。
「ほとんどを豪州ドルで持っているので、円高に振れると打撃は小さくありません。11月から12月にかけて、円換算すると資産が70万円ほど目減りしている状態です。このままオーストラリアにとどまるか、日本に帰国するか、悩ましいところですね。ただ、こちらで作ってきた人脈は捨てがたい。これから出稼ぎを考えているのであれば、こちらでも通用するスキルや資格を身につけてから行動することをお勧めします。そうすればまだまだ稼げると思います」
閉塞感の増す日本から飛び出すことは、これからも選択肢であり続けるのか。(了)