2024年の男性アイドル業界は“内向き”の国内循環型のシステムが刷新され世界を目指す　音楽評論家・湯川れい子さんが予測

　日本の“男性アイドル”の世界で大きな動きがあった2023年を経て、2024年はどうなっていくのだろうか──。2024年の日本の男性アイドルの動向を音楽評論家の湯川れい子さん（87）が予測する。

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　現代を生きる日本の男の子たちが海外で活躍する年になる──旧ジャニーズ事務所をとりまく問題で大きく揺れ、分布図が変わった2023年を経て、日本の芸能界、とりわけ男性アイドルの在り方は大きく変わると思います。

　最も大きな変化は、「売り方」です。これまで日本における多くのアイドルは“内向き”でした。長年、熱心に応援するファンに向けて国内を何か所も回るツアーをしたり“会いに行けるアイドル”というキャッチフレーズのもと、ファンが何度も握手会に訪れるという国内循環型のシステムの構築はその最たる例です。確かに戦略としては成功したかもしれませんが、日本の音楽の国際競争力が低下したことは間違いありません。

　しかし、そうした状況がいま大胆に刷新されようとしています。日本のアイドルが海外に向けて発信し、世界的な活躍を目指すことができます。

　そもそもいまの若い世代はCDやテレビの音楽番組ではなくネットの配信や動画、サブスクサービスによって音楽を聴いている人がほとんど。民放のドラマの主題歌をCDとしてリリースし、国内のツアーで歌うというこれまでの王道スタイルに代わって、YouTubeやTikTokなどの配信系を武器に、国内からも海外からも声援を受けるアイドルが次々と生まれてくるのではないでしょうか。