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【ダイハツ問題】報告書は“組織的な不正行為”を認めていないが「現場担当者だけで実施できるものではない」と識者から疑問の声

 

 2022年にエンジンの排出ガス劣化耐久試験で不正行為が発覚した日野自動車は、該当車両の型式認定が取り消され、経営陣は退陣。2024年中に三菱ふそうトラック・バスと経営統合されることになった。2016年に発覚した三菱自動車の燃費試験不正でも、経営陣が退陣し、同社はその後日産の傘下に入った。

「今回の事案に関して、国交省の判断で、該当車両の型式認証の取り消し、もしくは審査が半年、1年と長引くと、事態は長期化し、ダイハツは赤字が拡大していくことになるでしょう。トヨタがどこまで支援するかが鍵になりますが、ダイハツの組織体制を根本的に変えるのは難しいと判断すれば、日野自動車と同様に、他の自動車メーカーと合弁させることも考えられます。いずれにしても、ダイハツのブランドは消滅する可能性が高いのではないでしょうか」(和田氏)

 燃費数値の不正でユーザーが被る被害は、想定より余分に燃料費がかかるという金銭的な被害だが、安全性試験の不正となると、命にかかわりかねない。国交省は、ダイハツ車ユーザーの不安を払拭するため、現行生産車の基準適合性を検証し、車種ごとに結果を公表するとしている。

 また同社では12月25日に報道機関に対するオンライン説明会を実施。不正の発覚以降、1000名を超える同社の技術者とトヨタの技術者が「再検査」を実施して、「ただちに使用を控えていただくという状況にはありません」と説明した。冷静に状況を見守りたい。

取材・文/清水典之(フリーライター)

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