金融教育は高校で必修化されるなど、社会的に大きな重要性を増している。「お年玉を通じて子どもの金融教育につなげてみては」と語るのはファイナンシャルプランナーの鈴木さや子さん。鈴木さんが年齢別に金融教育につながるお年玉の活用方法を解説する。
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今年のお正月も、日本中のご家庭でお年玉を手にした子どもたちがニコニコしていることでしょう。子どもたちが普段は手にできない大きな金額を手にするこの機会を、ぜひ金融教育につなげてみませんか。今回は、お年玉を通じて子どもの金融教育につなげる方法について、年齢別に解説します。
3歳から小学生高学年までの使い方
【3歳~小学校入学前】「何に使うと嬉しくなるか」考えさせ、自分の手で買い物させる
お金は無限にあるものではありません。お年玉の良いところは、お正月にしか手に入らないので、その金額の中でいかに有意義なことに使えるかを練習できるところです。
昨今はキャッシュレスで支払う家庭も多いですし、おつかいも減っているため、子どもにとって現金を見る機会も激減しています。どんなことに使うと嬉しくなるかよく考えさせて、何か一つでも自分の手で買い物をさせてみましょう。お金を払っておつりをもらうという当たり前の経験が、お金の有限さへの理解につながります。
【小学生低学年~高学年】プレゼントなど誰かの喜ぶ顔を見る使い方と、貯金を提案する
少し大きくなってきたら、自分だけではなく他の誰かが喜ぶためにもお金は使えることを伝えましょう。小学生になると、友だちに誕生日プレゼントをあげる機会も出てきます。親が出してあげる家庭も多いようですが、ここでお年玉の活用を考えさせてみてはいかがでしょう。何月にいくらくらいかかるか(低学年のうちは親子一緒に)を考え、それまでお金を取っておくように声かけをしましょう。
また、ゲームソフトやスマホなど欲しいモノが高額である場合は、貯金の大切さを実感させられるチャンスです。目標金額になるまで、お年玉の一部と日ごろのお小遣いから時間をかけて貯金させることで、心から欲しいか自問自答する時間にもなります。コツコツ貯めて買えた時の嬉しい経験は、これからのお金の使い方にも良い影響があるはずです。