新しい年が始まると、身の回りの物を新調し、新たな気持ちでスタートを切りたくなるもの。新春から春先にかけた時期に買う財布は「春財布」とも呼ばれ、「財布が『張る』」とかけ、縁起が良いとされている。
そんなご利益にあずかろうとこの時期に財布を新調しようとする人もいるだろうが、なかには「財布を買い替えるんじゃなかった……」と後悔している人もいるようだ。どんな理由からなのか、財布の買い替えに「失敗した」という人たちに話を聞いた。
とにかく金運アップを重視した結果…
商社勤務の20代女性・Aさんは昨年のお正月、それまで約3年間使った財布を新調したが、あっという間に「前の財布に戻した」という。なぜか。
「財布って、よほど壊れない限り“まだ使える”と思ってなかなか買い替えないんですよね。でも一昨年、転職で年収が下がるとか、当時の彼氏に借金を踏み倒されるとか、金銭的に憂鬱なことが続いたんです。
そういう時に、学生時代の先輩から『金運を意識するなら3年周期くらいで財布を買い替えた方がいいし、特に新年に替えると縁起がいい』と聞き、それに合わせて昨年の初売りで財布を買いました。どうせならキリがいい1月1日から新しい財布を使いたいと思ったんです」
Aさんは自分が気に入るかどうかよりも、とにかく“金運をアップさせたい”という思いが強かった。
「事前にネットで“金運 財布”といった検索をしまくり、熟考に熟考を重ね、買った時は完璧だと思いました。でも、色や素材に気を取られすぎていて、自分の使いやすさを軽視していたことで、後になってめちゃくちゃ使いづらいことに気づきました。
私は財布は基本的に小さいほうが好きで、なんなら三つ折りやカードケースと小銭入れなど、なるべくミニマムにしていたいタイプ。ただこの時は、金運重視で長財布を買ってしまったんですよね。色もそこまで好みじゃないし、だんだんストレスがたまるように(笑)。結局、自分が好きなデザインで、使いやすいということを優先し、以前使っていた財布を使っています……」(Aさん)