コンパクト財布に結局ストレス
IT企業勤務の40代男性・Bさんはもともと“現金派”。理想の財布は、「小銭やお札がスムーズに取り出しやすい造りで、カード類もたくさん入る財布」だった。
「僕の財布選びの基準は『カード類が8枚以上入る』『小銭入れが外にある』の2点。二つ折りでも長財布でもどちらでもいいのですが、とにかくこの2点は譲らない財布選びをしてきました」
だがここ数年、想定以上に自身のキャッシャレス化が進んだこともあり、昨年、財布の買い替えを思い立った。
「スマホをかざすだけで簡単に決済できる手軽さを覚えると、もう現金やクレジットカードといった“現物”での支払いに戻れないなと思ったんです。基本的にスマホですべて決済し、なるべく現金やカード現物を使わない生活に慣れようと思いました。
一旦そう決断すると、大きな財布を持ち歩く必要もない。キャッシュレスのライフスタイルに合った財布を探して、昨年の年始に超コンパクトな財布を買ったんです。お札は2枚だけ、小銭は10枚ちょっと、カードも3枚しか入らないというもの。薄さを売りにした、本当にシンプルなタイプです。
でも、スマホの電源が切れているとキャッシュレス決済はできないし、旅先の地方では現金でしか払えないお店もたくさんあって、結局まだまだ現金は必要なんだなと……。お札も、入れていた1万円を使っておつりが何千円かになったら、結局お札の枚数が増えるので、財布がパンパンになってしまう」(Bさん)
コンパクト財布にストレスをおぼえるようになったBさんは、「今は大きめの財布で、現金派に出戻りしてしまった」と苦笑する。
「キャッシュレス決済を使わないわけではありませんが、今の僕は併用型ですね。もう少し自分の性格や生活を見極めてから財布選びをしていれば、自分にとって中途半端な財布を買うこともなかったなと思います」(Bさん)