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利用する前に知っておきたい「奨学金」の基礎知識 返済能力の審査はないが、滞納するとブラックリスト入りも

奨学金は学力や家計によって給付型や貸与型など種類がある(写真:イメージマート)

奨学金は学力や家計によって給付型や貸与型など種類がある(写真:イメージマート)

 進学の時期が近づき、子どもの受験料や入学金、授業料など教育費がかかってくる世帯も多くなるだろう。その際に助けになるのが奨学金だ。もし利用する場合は、どのようなことに留意すればよいのか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第75回は、「奨学金」について。

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 子どもの大学進学が現実的に見えてくる季節となりました。入学金やら、授業料やら、そろばんをはじいている親御さんもいることでしょう。できることなら、子どもが生まれたときから、大学進学にかかるお金の準備はしておきたいところですが、準備が間に合わず焦っている方もいるかもしれません。そんなときに選択肢のひとつとして考えたいのが「奨学金」です。

学生の2人に1人は奨学金を利用

 日本学生支援機構の「令和2年度学生生活調査結果」によると2020年度の大学生の奨学金受給率は、49.6%?。つまり大学生のおよそ2人に1人はなんらかの奨学金を受給していることになります。2020年以降のデータはまだ発表されていませんが、コロナの影響による家庭の所得減が奨学金の受給率をさらに上昇させているかもしれません。

奨学金の種類

 日本の奨学金制度は、政府、地方自治体、教育機関、企業、財団などが提供する様々なプログラムが存在しています。もっとも多くの人が利用するのが、日本学生支援機構(JASSO)で、大きくふたつに分類できます。

【1】給付型奨学金

 返済不要の奨学金。学力基準や家計条件が厳しい奨学金で、入学金や授業料の減額・免除もあります。

【2】貸与型奨学金

 要返済の奨学金。無利子となる第一種奨学金と、有利子の第二種奨学金があります。第二種奨学金のほうが、所得や成績などの要件が緩いため、利用者が多くなります。

 奨学金は、親が借りるのではなく、学生自身が借りるものです。給付型でない限りは、本人の借金となります。もちろん“学ぶ”ことは将来への投資ですので、悪い借金ではありませんが、現実的に返済が可能かどうかというのは、目を逸らさずに検討しておく必要があります。

 わたしの友人の中には、奨学金が自分の借金だと深く理解せずに受給しており、社会人になって苦労している人もいました。奨学金については、きちんと親子でコンセンサスを取っておく必要を感じます。

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