なぜ3回とも大幅なマイナスになったのか?
この3つの期間は、ITバブルの崩壊、リーマンショック、コロナショックといった歴史的なショック安が起こった時期と重なっています。
とはいえ、利下げが必ずしもショック安の直接的要因であるわけではないでしょう。特に2020年のコロナショックは米国の金融政策には関係なく、新型コロナウイルスの感染拡大によるショック安です。
これを除く2つのショック安については、利下げに入るまでに高い金利状態が続いていたことや、そもそも利上げが必要なほど景気が過熱していたことが、ショック安の原因の根源となっていた可能性はあります。
さらにこういったリスクは必ずしも市場にすべて織り込まれておらず、問題が明らかになった時にショック安となってしまうケースもあります。
今回もショック安が来るのか、対応策は?
今回もショック安が訪れる可能性は完全には否定できませんし、現時点で暴落を予想する専門家はほとんど見受けられません。
コロナ禍における大規模な金融緩和は急激なインフレを引き起こし、FRB(連邦準備制度理事会)は過去に例のない速さで利上げを行いましたが、インフレの収束が難しい状況でした。2024年に入って、ようやくインフレ上昇率が安定してきたため、FRBは正常な状態に戻すために年内の利下げを検討し始めています。
しかし、状況が平常時よりも不安定であることは事実で、ショック安が発生する確率は平常時よりも高くなっていることは間違いないでしょう。
その中で私たち個人投資家にできることは限られています。ショック安を事前に予測することはほぼ不可能です。もしも予測ができるならば、それは既に市場に織り込まれていることでしょう。
そのため、常に大きな株価下落のリスクが存在すると認識し、安全資産とリスク資産のバランスを取ることや、投資先を多様化させるなどのリスク管理が重要な時期に入ってきています。