大ブレイクして優勝に大きく貢献した村上と大竹、そしてケガで出場できなかった梅野隆太郎に代わって正捕手を務めた坂本誠志郎も売れ残りがある状況だった。
陳列棚の前で村上の「ふりふりキーホルダー」を手にした中年女性は「あれだけ貢献してくれた村上クンが売れ残りだなんて気の毒やわ。大竹クンまで残っている。なんでやろ」と首を傾げたが、それでも村上や大竹のキーホルダーを買い物カゴに入れることはなかった。
村上の場合、セ・リーグ優勝の時に発売された「イチオシ缶バッチ」(500円)も4種類の中で唯一売れ残っている。「最優秀防御率記念フェイスタオル」(2000円)もあまり売れていない様子だ。
ファーム時代から応援した選手が好き
12月20日に同ショップを訪れた時は、この「ふりふりキーホルダー」は大山や佐藤、中野、近本も含めて39種類のうち17種類に在庫がある状態だった。当時、店員は「選手によって(最初に製造する)数量は違いますが、追加は一切なく在庫がなくなればそのまま品切れです」と話していた。
村上や大竹はその活躍ぶりから比較的多めにグッズが製造された可能性があるとはいえ、大山、佐藤、中野、近本といった面々に売れ行きが及ばない様子が窺える。その理由について、古参の虎党のひとりはこう話す。
「選手をファーム時代から応援している阪神ファンが多いからね。上(一軍)で活躍するようになると、まるで自分が育てたかのような気持ちで球場に足を運ぶ。応援で着ているユニフォームの背番号を見ればわかる。そんな感じだよ」
たしかに2022年オフに現役ドラフトでソフトバンクから移籍してきた大竹はそれで説明がつくかもしれないが、村上は2021~22年に2年連続でウエスタンの最優秀防御率と最高勝率をマークしている。ファーム時代から応援してきたファンがいるはずではないか。
「村上が5位指名された2020年のドラフトは豊作だったから。1位が佐藤輝明、2位が伊藤将司、6位が中野拓夢といった人気選手が多い。あと、同学年のピッチャーには才木浩人とか浜地真澄とか、高卒で入団してファーム時代から長く応援されてきた選手もいる。村上への応援はそういうなかで分散したのかもしれないね」(同前)
もちろん、去年のような活躍を続ければ、グッズにファンが殺到するようになるのは間違いないだろう。