アパート名の「OHANA」はハワイ語で「家族」のこと。その名の通り、住人とは家族同然のつきあいで、中尾が「いただきもののお肉があるから炭火焼きするよ!」と声をかけると、住人たちは中尾家のリビングに集まって炭をおこす。
いまではあまり見られなくなった“ご近所づきあい”を楽しむ住人たちの年齢層は20~50代と幅広い。そのほとんどがアパートの竣工当初から20年近く住んでいるという。
「いろんな職種の人がいるから何でもお願いしています。DIYができるって聞けば、“ちょっとあんたやってよ”と任せるし、スーパーに勤める子には、“いいお肉安く持ってきてよ”と甘えちゃう。アパートのみんなと食事をすると準備から後片付けまで全部やってくれるのよ。私、人に頼るの上手だからね。ハッハッハッ」
アパートの住人とは別の“OHANA”が、もう50年来のつきあいになるパートナーの男性だ。父の死後、一緒に暮らすようになったが、「結婚する気は一切ない」とキッパリ断じる。
「私は誰とも結婚したいと思ったことがないんです。結婚していないから、相手の家族に何かあっても私は行きません。“お墓参り? あなただけ行けば?”みたいな感じ。
ただ、ひとり暮らしだと生活習慣が雑になりがちだけど、家に誰かいると食事や掃除をやらざるを得ないので、健康なのは彼のおかげかもしれません。だから孤独でいるよりは、多少の煩わしさはあっても誰かと一緒にいる方がいいと思いますね」
※女性セブン2024年2月8日号