「ひとりだと難しくても、友達を巻き込めばうまくいきますよ」
中尾は毎朝、公園に行ってラジオ体操や鉄棒、雲梯(うんてい)などの遊具で体を鍛える。「巻き込み力」に富んだ彼女らしく、同年代の女性が自然に集まり、中尾と肩を並べて運動に励むのが日課だという。
「私がいまも高いヒールを履けるのは毎日体を動かしているからです。朝の公園で多くのシニアが一緒に運動するのは、さながら『ミエ道場』。80代のおばあちゃんが懸命に努力して、鉄棒にぶら下がれるようになったのを見たときは感動して、大いに刺激を受けました」
人に刺激を与え、人から刺激を与えられる。喜寿を迎えてますます人生を楽しもうという姿勢と、そのために必要な努力を続けるストイックさが、彼女の人生をさらに豊かにする。
最後に、中尾は読者にこんなメッセージを送る。
「人生100年時代、誰でも80代まで生きる可能性は充分にあります。そのとき明るく生きるためには、いまから準備しないと間に合いません。特に体は退化するスピードが速く、毎日の運動や規則正しい生活リズム、食生活の改善は明日からではなく、一日でも早く、できればいますぐ始めてほしい。ひとりだと難しくても、友達を作って巻き込めば必ずうまくいきますよ」
現実はつらいことも多いけれど、人生は楽しまなくちゃ──今日も中尾は「汗かけ、恥かけ、金かけて」の精神で豊かな時間を生きている。
(了。第1回から読む)
※女性セブン2024年2月8日号