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個人投資家がTOPIXを上回るアクティブファンドを見つけるのはなぜ困難なのか 「伝説のトレーダー」清原達郎氏が解説

日本の大型株に分散投資したいならTOPIXのETFが一番合理的

 B社がこの年だけでなく来年も再来年もTOPIXを上回る成績を残すのならもちろんパッシブ運用のA社よりB社の運用するファンドに投資をした方が得です(もちろんその場合、C社は来年も再来年もTOPIXに負けることになりますが)。もう焦点がどこにあるのかおわかりですね。

【1】大型株のアクティブ運用で長期的にTOPIXを上回る成績を残せる投資顧問会社はあるのか?

【2】仮に存在したとして投資家はそれを事前に見分けてその投資顧問会社のファンドに投資できるのだろうか?

「日本の大型株のファンドだと継続的にTOPIXを上回っていくファンドというのはあってもかなり珍しいのではないか」というのが私の印象です。【2】の「投資家がそのようなファンドを事前に正しく見つけ出し投資をする」のはさらにハードルが高くなります。過去の実績が良かったからといって今後も良い成績が続く保証はどこにもありません。過去パフォーマンスが良ければ運用資産が急激に増え運用難に陥る可能性だって高いのです。

 個人投資家が「今後のパフォーマンスが良くなるアクティブ運用のマネージャーを探し出す」のは「TOPIXの成績を上回る大型株を見つけ出す」のと同じぐらい難しいことだと思います。従って私の結論は「個人投資家が日本の大型株に分散投資をしたいならTOPIXのETFが一番合理的」ということになります。

※清原達郎・著『わが投資術 市場は誰に微笑むか』(講談社)より、一部抜粋して再構成

【プロフィール】
清原達郎(きよはら・たつろう)/1981年、東京大学教養学部(国際関係論)卒業。同年、野村證券に入社、海外投資顧問室に配属。スタンフォード大学で経営学修士号(MBA)取得後、1986年に野村證券NY支店に配属。1991年、ゴールドマン・サックス証券東京支店に転職。その後モルガン・スタンレー証券、スパークス投資顧問を経て、1998年、タワー投資顧問で基幹ファンド「タワーK1ファンド」をローンチ。2005年に発表された最後の高額納税者名簿(長者番付)で全国トップに躍り出る。2023年、「タワーK1ファンド」の運用を終了し、退社。はじめての著書『わが投資術 市場は誰に微笑むか』(講談社)が話題に。

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