年老いた親の世話や看取り、そして死後の手続きは、子供たち「きょうだい」で協力し、円満に進めていく──そんな家族像は、残念ながら幻想かもしれない。親の死後に起きるトラブルの大半は、身近なはずの「きょうだい」の間で生じているという現実がある。
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住む場所を失うことも
相続をコーディネートする「夢相続」が相続トラブル経験者450人に行なったアンケートでは、揉める相手方は「きょうだい」が67.3%で圧倒的に多い。甥・姪(8.8%)や異母きょうだい(5.8%)、叔父・叔母(3.0%)を大きく引き離した。
夢相続代表の曽根恵子氏が語る。
「相続では子供たちきょうだい全員が同等の権利を持ちます。しかし、当然ながら生前の親との距離感は一人ひとり違うもの。その“ズレ”があるために、それまでは仲が良くても疑心暗鬼からトラブルが生じ、最悪の場合は絶縁してしまうケースまであります」
親の介護や看取りなどをめぐっても骨肉の争いに発展することがある。
そうした事態を回避するにはまず、現実を知る必要がある。専門家への取材をもとに、揉めやすいきょうだいの12タイプを別表にまとめた。以下、主なものを実例とともに見ていく。
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