「最近の火災保険は再調達価額、つまり新たに同等の建物や家財を購入するために必要な金額を算出しています。一方、主に1998年以前に契約した古いタイプの保険の場合、建物や家財が“時価”で評価されている。
古くなると再調達価額から経過年数や使用による消耗分が引かれるので、支払われる保険金額が減ります。そのため建て直しや家財の買い替えの際に、お金が不足してしまいます」(浅井さん)
耐震性の高い建物でも地震保険には入るべき
火災保険では、地震を原因とする火災や津波、損壊などは補償の対象外。熊本地震では土砂災害によって被害を受けた家もあったが、地震保険未加入世帯は「地震を起因とする土砂災害」のため、火災保険の土砂災害の保険金は支払われなかった。
地震保険の対象は住居用の建物と家財で、保険金額は火災保険金額の30~50%の範囲とされ、限度額は「建物5000万円」「家財1000万円」までと定められている。
「地震保険は被災による損害をすべてカバーするものではありませんが、生活再建の足掛かりとするための制度と考えてほしい」
と松島さん。それでも地震保険には入るべきなのか。浅井さんは「持ち家なら入っておく方がいい」と指摘する。