莫大な治療費のイメージが先行するあまり、最初から選択肢に入れない患者も多いが、近年は状況が変わってきた。保険適用される部位が増えているのだ。
大腸がん(術後再発)、すい臓がん(局所進行性)、肝臓がん(切除不能な4cm以上)など複数のがんで重粒子線と陽子線治療が保険適用となり、自己負担額は1~3割で済む。
それでも70万円前後と高額だが、一部の富裕層以外にも選択肢になり得る状況が生まれている。
オプジーボの薬価は発売当初から5分の1に
陽子線と重粒子線治療について、上医師は注意点を指摘する。
「施術の対象となっている主ながんも、陽子線や重粒子線でなければ治療できない、というわけではありません。新幹線でたとえれば、従来の放射線が『こだまの自由席』なら、陽子線や重粒子線は『のぞみのグリーン車』です。どちらも同じ目的地には着くので、お金に余裕がなければ無理をして受ける必要はないかもしれません」
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