疾病手当金は「最長1年6か月分」受け取れる
がんの治療を受けている最中や退院後、すぐに仕事復帰できないケースは多い。その間の収入をどう確保するかも、重大な問題となる。
会社員などの被用者を対象に、休業中、所得の3分の2程度が日割で支給されるのが健康保険の傷病手当金だ。
2022年の法改正までは一度受給が始まると、その日から起算し最長1年6か月後に受給期間が終了したが、改正後は「通算で最長1年6か月分」が受け取れるようになった。
「がん患者さんは休職と復職を繰り返すケースが少なくありません。傷病手当金を受給中に復職すると支給が停止されるため、期間の縛りがあるこれまでの制度下では事実上、数か月分しか受け取れないといったことが多々ありました。法改正により丸々1年6か月分が収入補てんされるので、手続きは確実に行ないましょう」
退職後、改めて求職活動をする際に利用できるのが雇用保険の基本手当(失業給付)だ。ハローワークで申請すれば、賃金日額のおよそ5~8割が、勤務年数に応じて日割で支給される。
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