がん患者を長期にわたり支える障害年金
なお、前述の傷病手当金は離職後も通算の日数内であれば受給できるが、失業給付と同時受給はできない。働ける状態になるまでは、失業給付の受給期限を延長する手続きを忘れずに行ないたい。
「離職後もしばらく傷病手当金を受給する場合、再就職に備えハローワークで失業給付の受給期限の延長手続きをしておくと、傷病手当金終了後も収入が途切れません」
がん患者を長期にわたり支えるのが障害年金だ。
働けなくなったり、介助が必要になるなどの場合、年金事務所や役所の窓口で申請し認定されれば支給対象となる。
「抗がん剤の副作用による倦怠感や手足のしびれなど内部障害で、仕事や生活に支障がある場合も受給できる可能性があります。初診日から1年6か月を経過した時点の身体の状態で判断されますが、申請から受給開始まで半年ほどかかるため、早めの相談が望ましい」
経済面での公的な支えを知り、少しでもがんの不安を軽くしておくことが大切だ。
※週刊ポスト2024年3月29日号
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