田代尚機のチャイナ・リサーチ

トランプ大統領の保護主義政策が、中国の台頭を誘引する?

米国の保護主義が中国の台頭を誘引か(トランプ氏のFacebbokより)

米国の保護主義が中国の台頭を誘引か(トランプ氏のFacebbokより)

 世界の貿易額トップ3は中国、アメリカ、ドイツで、世界の貿易額全体に占める割合は順に11.9%、11.5%、7.2%である(2015年、UNCTAD、GLOBAL NOTE、以下同様)。輸出の順位は総額と同じ、輸入では中国とアメリカが逆である。ちなみに、日本は、総額、輸出、輸入ともに世界第4位である。

 このデータだけをみると、世界の貿易額縮小は、これらの国々の経済に大きなダメージを与えると思うかもしれない。しかし、各国の経済構造を見るかぎり、そうではなさそうだ。

 アメリカの貿易依存度((輸出+輸入)/名目GDP)は21.12%で世界197位、日本は28.11%で189位、中国は33.33%で178位である。アメリカについて輸出依存度(輸出/名目GDP)をみると、8.44%で164位、日本は13.97%で141位、中国は19.21%で第115位である。

 いずれにしても、これら3国は、各国との比較でいえば、輸出が減り、貿易量が縮小しても、経済に与える影響は相対的に軽微である。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。