今春、大学を卒業し、新社会人となった2023年度卒の大学生たち。彼ら/彼女たちは、コロナ禍で大学生活を送った、いわゆる「コロナ世代」などと言われる学年だ。対面の講義がなくなり、オンライン授業が行われた2020年から2021年頃を経て、対面が解禁された2022年度以降も、継続的にオンライン授業を続けている講義もめずらしくない。
こうしたコロナ禍にともなう変化の一つに、大学での課題提出の方法がある。その影響はポストコロナの現在でも続いており、学生たちに大きな負担となっているという。課題に追われる学生たちの実態について、関係者に話を聞いた。
バイト掛け持ちする学生から悲鳴の声
都内の大学で教鞭を取り、学生相談室の業務も兼任している教授Aさん(50代男性)は、こう話す。
「コロナ以前の大学の授業の評価は、基本的に出席確認や期末テスト、レポート提出というのが一般的でした。ところがコロナ禍で“授業への出席”を採点するすべがなくなり、代わりにオンライン授業を受講するたびに毎回、課題を提出をさせるという方法が導入されました。それを出席確認の代わりにしているわけです。自粛期間ならまだしも、授業を受けて課題を解いてを繰り返す学生の負担は大きかったはずです。
それが、コロナ禍が収束した現在でも、コロナ期間中と同じ方法で毎回課題を提出させるという授業スタイルは依然として存在します。私は学生の相談室でも対応をしていますが、学費を稼ぐためにアルバイトを掛け持ちしている学生などから『課題が多すぎて単位取得が難しい』『教授の言うとおりに受講していたら、毎日休む暇もない』と相談を受けることもあります」(Aさん)