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年金博士が教える年金減額時代の“得するテクニック”「まず国民年金を満額にする」「繰り下げ受給を検討」

「在職老齢年金」廃止なら繰り下げのメリット増大

「在職老齢年金」廃止なら繰り下げのメリット増大

65歳以降で検討に値する「繰り下げ受給」

 さらに65歳以降は、「繰り下げ受給」が検討に値する。受給開始を1か月遅らせるごとに年金月額は0.7%増え、70歳までの繰り下げで42%増、75歳なら84%増となる。

「ただし、70歳や75歳への繰り下げはかなり長生きしないと得にならない。75歳繰り下げだと、65歳受給開始の場合の総額を上回るには87歳近くまで生きなくてはならない」

 長生きリスクへの対応にはなるが、「女性は長生きなので繰り下げを目指し、男性の場合は余裕があれば繰り下げをするといった選択が現実的」だという。

「また、働きながら年金を繰り下げる場合、在職老齢年金の仕組みでカットされる部分は繰り下げによる増額が適用されないので注意が必要。仮に来年、制度が廃止されれば繰り下げの恩恵がフルに受けられるような変化になるわけです」

 その場合、表の通り繰り下げのメリットが増す。制度改正の動きを注視しなくてはならない。

【プロフィール】
北村庄吾(きたむら・しょうご)/1961年生まれ、熊本県出身。ブレイン社会保険労務士法人代表年金のプロとしてメディア出演多数。

※週刊ポスト2024年5月3・10日号

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