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「SNSでブロックする感覚」退職代行サービスを利用した若者たちの本音 「利用がバレると次の就職がしにくくなる」と後悔する声も

次の就職に影響する可能性も

 退職代行サービスの“効率の良さ”を魅力的に感じている人もいる。IT企業勤務の20代男性・Bさんは、「退職を決めてからの憂鬱さがなくなる」とその経験を明かす。

「新卒時は小さな広告会社に就職したのですが、仕事内容が思い描いていたものと違ったので、1か月で退職しました。別に人間関係で悩んだとか、残業が辛いといったことではなく、単純に自分が飽きたというだけですね。

 でも、だからこそ退職理由を聞かれるのが面倒で、退職代行サービスを利用しました。退職を切り出すプレッシャーや挨拶、辞めるまでの間、微妙な雰囲気で働かなくてはならないみたいなことがすべて回避できる。タイパはいいんじゃないですかね」

 しかしBさんは「乱用すべきではない」とも感じている。どういうことか。

「先日、学生時代の友人で、いま某企業の人事部にいるヤツと雑談をしていた時、『退職代行で辞めたことがわかれば、場合によっては就職しにくくなることもあるぞ』と言われたんです。なぜかと聞いてみると、『明らかに会社側に問題があった場合は別として、自分のケツを自分で拭けない、あるいは都合の悪い時に仕事を放り出す無責任なヤツだと思われてもおかしくない』と……。ぐうの音も出ませんでした

 実際、就職の選考フローでリファレンスチェックをするケースもあるようですね。今僕が働いている会社の上司のところにも、以前、退職代行を使って辞めた人が転職活動中の会社からヒアリングがあったというんです。それとなく話を聞くと、上司は淡々と回答したらしいですが、その内容は『最後の挨拶はなかった』『ある日、退職代行会社から連絡がきてびっくりした』『引き継ぎも何もなかった』といったことで、どう聞いてもネガティブな印象を与えてしまう。

 もし僕がまた退職代行を使って今の会社を辞めたら、そういうふうに言われるのかと思うと憂鬱な気持ちになりました。安易に使うものでもないなと思います」(Bさん)

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