もうひとつ深刻なのが「米中貿易戦争」の脅威だ。トランプ氏は米国の貿易赤字の元凶として中国を強く非難。中国の輸出増に圧力をかける構えも見せる。信州大学経法学部教授の真壁昭夫氏が指摘する。
「米国にとって中国は2番目の貿易相手国ですが、中国から入ってくる製品に高い関税をかけたり、非関税障壁を高めたりする可能性は大いにあるでしょう。中国も今年は共産党大会があるので、習近平国家主席は米国の圧力に屈せず、報復措置に出るかもしれません。
結局、トランプ氏と習近平氏のチキンレースとなって、両方とも崖から飛び降りてしまうケースもあり得るでしょう。米中の経済戦争はブラック・スワンになるほどインパクトは大きいと思います」
もちろん「事前に予想できない」からこそ、「ブラック・スワン」と呼ばれるわけだが、はたして2017年の世界経済には、どんな白鳥が舞い降りるのだろうか。