コンビニのような24時間営業のサービスでなければ、営業店舗には閉店時間が設けられている。もちろん閉店間際になれば店内放送や店員の呼びかけで速やかに帰る人がほとんどだろうが、なかにはなかなか言うことを聞かず、居座り続けようとする迷惑な客たちがいるようだ。接客業に携わる人たちが、その実態を明かす。
「続きが気になるようでしたらお買い求め下さい」
都内の書店に勤務する30代男性・Aさんは、閉店時間後の客の居座り事情について、こう話す。
「閉店5分前に『蛍の光』を流すのですが、素直に帰ってくれるお客さんばかりでありません。以前『蛍の光』を聞いてから、慌てて何十冊もコミックをレジに持ってきたうえに、大量のカバーを頼まれたことがありましたが、これはまだ買ってくれたので仕方ないと思えます。
本当に厄介なのは、買う気がないのに、立ち読みだけをする客です。まだ読み終わってない、という勝手な理屈なのでしょうが、その一人のせいで店を閉められないうえに、外から“まだ中に人がいる”ことが見えると他の客が入ってきてしまうこともある」
Aさんは店長に相談し、スムーズに閉店できるように「閉店アピール」を見直すことにしたそうだ。
「『蛍の光』を流す時間を閉店10分前に前倒しし、店内の照明も段階的に消し、さらに出入口のシャッターを半分下ろすという“帰ってくださいアピール”をするようになりました。それでも帰らないなら、『閉店時間ですので、続きが気になるようでしたらお買い求め下さい』と声をかけますね」(Aさん)