下落時の2つの選択肢
シゲルさんは常時、およそ80の個別銘柄を注視し、1日30回もの売買を繰り返す。その鉄則は「株価が下がった時に買う」だという。
「狙っている銘柄が値上がりすると『もっと上がる』と考えて買いたくなり、値下がりすると『さらに下がるのでは』と売りたくなるかもしれませんが、私の方針はまったく逆で、『上がったら売る、下がったら買う』。
保有する銘柄が下落した時に取るべき行動は、『【1】保有したまま様子を見る』か『【2】もっと買い増す』のどちらかです」
シゲルさんはまず「【1】保有したまま様子を見る」の選択肢についてこう解説する。
「私がよく売買する銘柄に、信越化学工業があります。この株のコロナショック時の値動きを例に取ると分かりやすい。
2020年1月6日の大発会の終値が2370円。この時点で237万円を投じて1000株買ったとしましょう。その後、2月には2700円を超えたが、コロナショックで3月23日には1791円まで下落。この時に焦って売ると売値は約179万円で、約58万円の損失が確定してしまう。でも、我慢して保有し続けていれば、現在の株価は6195円(4月30日終値)で、約382万円の含み益が出ていることになる」
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