ペットボトル飲料からも検出される残留農薬
食品ジャーナリストの郡司和夫さんもネオニコチノイドのリスクをこう指摘する。
「北海道大学の研究チームが、市販されている国産39種の茶葉と9種のペットボトルを調査したところ、すべての商品からネオニコチノイドの成分が検出されました。同時に検査したスリランカ産茶葉からは検出されていません。つまりペットボトル飲料として加工・製造される過程を経ても残留農薬として残るほど強い成分だということ。
もちろん国が指定する基準値よりは下回っていたものの、その値は諸外国よりもはるかに高い。毎日飲むことを考えれば、体に与える影響は計り知れません」
健康被害と体内に残りやすい特性が危険視され、複数種類あるネオニコチノイド系農薬のうち、EUやフランスでは一部の使用に規制がかけられている。
「しかし、日本では7種類ほど使用できるのが現状であり、新生児や幼児を含むほぼすべての日本人の尿から検出されています。大量のネオニコチノイドを散布した地域では、頭痛や倦怠感など体の不調を訴える声も少なくない。
また、日本は先進国の中でもがんによる死亡者が圧倒的に多い。農薬が含有する化学物質が体内に蓄積し、遺伝子変異を起こした結果である可能性は大いにあり得ます」(久保さん)
(後編〈世界中で問題視されている農薬が日本で堂々と使われる背景 食品添加物も世界と比較して規制が甘い現実〉に続く)
※女性セブン2024年5月23日号