農薬まみれの作物は、外からの害にも弱い。
「私たちの調査によって、農作物全体から抗酸化物質である『ファイトケミカル』が減っていることが明らかになっています。
植物がファイトケミカルを作るのは、害虫などから身を守ることが目的であるため、農薬によって駆逐されれば生成する必要がなくなります。しかし、ファイトケミカルの少ない農作物は病気になりやすく、収穫後も腐りやすい。給食の国産小麦から基準値を超えたカビ毒が検出されたのも、農薬や化学肥料で育ったことも一因と考えられます」
農作物をも弱らせ、世界中で問題視されている農薬が、なぜ日本では堂々と使われているのか。
「日本における農業の発展は、農薬を作る化学メーカーのバックアップなしには実現しなかった。官民一体となって成長してきており、切っても切れない関係です。加えて、いちごやメロンなどにブランド名をつけて出荷するためには、定められた農薬を規定通りに使う必要があるのです。
加えて日本人は見た目が整った虫のついていない野菜や果物を好む傾向にあり、有機栽培であっても形の悪い農作物には買い手が付きづらい。消費者のニーズに応えるためにも農薬が必要と考える作り手も少なくありません」
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