ビジネス

《ネズミ混入》“食パンシェアNo.1”『超熟』製造現場ルポ 工場裏の産廃コンテナにはみ出すほどのゴミの山、広報は「混入との因果関係は低い」

 フジパンは、「平常時の教育の実施により安全衛生意識の醸成を図り、異物混入の防止に努めております」(マーケティング部)、日糧製パンは、「AIB(米国製パン研究所)国際検査統合基準に基づく異物混入防止対策を行なっており、すべての製造工程において食品安全衛生上の危害要因を分析し、それを排除することで異物混入防止の徹底をはかっています」(総務部)と回答した。

 製パン最大手の山崎製パンは、「科学的根拠に基づいた食品安全衛生管理体制を構築しています。細菌面の衛生管理、異物混入防止対策、製品の表示を3つの大きな柱として、日々の管理を行なっています」(広報・IR室)と答えた。垣田氏はこう言う。

「工場で大量生産される食品のなかでもパンは生地をこね、発酵させてから成形して焼き上げる、といった工程に人の手が欠かせません。すべてを機械化できない分、エラーが起きやすくなることは確か。敷島製パンも企業努力を重ね、異物混入を防ぐしかありません」

 敷島製パンは今後の異物混入対策として、現在生産ラインの清掃や混入経路の調査をしたうえで、「さらなる対策につきましては、原因究明と再発防止策を策定中です」(総務部広報室)とした。

 前出の別のパスコ工場製造担当者は週刊ポストの取材にこうも語っていた。

「従業員一同、東京多摩工場で起きたことを真剣に受け止め、点検を怠りなくしようと言い合っています。同じことが起きれば、アウトですから」

 食パンの「ナンバーワンブランド」としての適切な対応が待たれる。

※週刊ポスト2024年5月31日号

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。