キャリア

「もっと遅く生まれたかった」 初任給上昇で新人ばかり厚遇される“いびつな給与体系”にやる気をなくす中堅社員たちの嘆き

上の世代の我慢に甘えているだけでは

 新入社員と給料が逆転した人もいる。IT企業勤務で入社10年目の30代女性・Bさんは、「毎日、辞めたい気持ちしかない」と憂鬱そうだ。

「新入社員の初任給が5万円ぐらい上がったようです。羨ましいけど、上の世代も大事にしてくれないのはなぜなのでしょうか。給料を上げないと辞めるというんだったら、別に上の世代だって辞めるのは同じなのに。

“新人のほうが辞めるやすい”という理屈なのであれば、上の世代の我慢に甘えているだけですよね?」

 そんなBさんの先輩で40代女性・Cさんは、氷河期入社。「羨ましい限り」と諦めの境地だ。

「就職先があるだけでありがたかった私たちからしたら、好きな会社を選べて給料もいいとか、本当に羨ましいです。しかも周囲はみんな『何かあったら辞めるかもしれない』とめちゃくちゃびくびくしていて、すごいチヤホヤ(笑)。

 何を言ってもどうせムダなので、もう私は貝になるだけですね。上の世代が明るく元気に働いている姿をみせることが、結局人材確保になると思うのですが、違いますかね?」

 Cさんは、「いま会社にいる40代はよほどじゃないと会社は辞めないかもしれませんが、30代はヤバいと思います」という。なぜか。

「私がそうだったのでよくわかるのですが、30代半ばぐらいまでって、ギリギリどこにでも転職できる気がしてしまうというか、30代になると『このままでいいのか』と焦るんですよね。ただでさえそういう世代なのに、下が仕事も覚えてないうちから高い給料となると、やってられないとばかりに脱出する人も出てくるのでは」

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