キャリア

「もっと遅く生まれたかった」 初任給上昇で新人ばかり厚遇される“いびつな給与体系”にやる気をなくす中堅社員たちの嘆き

初任給を上げる代わりに管理職の給料を下げる企業

 中堅社員だけでなく、管理職の退職を懸念する人もいる。メーカー勤務で入社3年目の20代男性・Dさんは、「初任給を無理して上げないでほしい」と嘆息する。

「大手企業との取引が多いので、うちもそうした会社を見習おうと、新しい制度を取り入れたりして、就労環境を改善するのは良いことだと思います。でも何も初任給まで、その水準に合わせることはないのでは。中小企業だから初任給アップで少しでも惹きつけて、人材を獲得したいのはわかりますが……」

 新卒の初任給が上がったならば従業員の「賃上げ」に期待がかかるが、ふたを開けてみると、まさかの“代償”が待ち受けていた。

「新卒の初任給を上げる代わりに、管理職の給料を少し下げたようなんです。私の給料は据え置きでしたが、それでも不公平感は拭えません。このまま会社が従業員の扱いを改めないなら、給与が上がらない中堅社員と、給与を下げられた管理職から退職者が出てもおかしくないと思います。そうなる前に一足先に逃げるかもしれません」(Dさん)

 一律の年功序列はもはや時代にそぐわないが、あらためて年代と働きに応じた給与制度の見直しを求める声も出始めているようだ。(了)

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