はたしてこれらの新指数は今後の日本株市場にどのような影響を及ぼすのか。カブ知恵代表の藤井英敏氏は、こう分析する。
「まず高配当株というのは、株価が下落基調にある時に下がりにくい株ということで注目が高まる。この先大きなキャピタルゲイン(値上がり益)が期待できるような相場環境では、インカムゲイン(配当益)は明らかに見劣りするため、今が“旬”とはいえないかもしれません。
次に野村のAI指数は、メタップスやロックオン、JIG-SAWといったAI関連の有望小型株で構成されているならまだしも、構成銘柄上位をみると、シャープやルネサスエレクトロニクス、三菱UFJフィナンシャル・グループなどとなっており、あまり妙味は感じられない。これだけ大企業で構成されているなら従来の株価指数と何ら変わらない印象を受けます。
一方、中小型株指数はミドルリスク・ミドルリターン狙いとしては、いいかもしれない。中小型の個別銘柄を狙おうとすると、どうしてもハイリスク・ハイリターンになりがちですが、これだけ多くの銘柄を組み入れていればリスクも分散されるため、ある程度リスクを回避しながらそれなりのリターンを期待したい投資家向けといえるでしょう」
もっともこれらの株価指数が今後、株式市場にインパクトを与えるかどうかは認知度次第だという。