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配偶者に先立たれる前に備えておきたいお金の問題 まずは「財産の可視化」、想定外の相続トラブルを避けるには「たすき掛け遺言書」も効果的

夫婦で用意する「たすき掛け遺言」の作り方(例)

夫婦で用意する「たすき掛け遺言」の作り方(例)

 こうした事態を避けるために曽根氏が勧めるのが、「たすき掛け遺言書」だ(図解参照)。

 夫婦それぞれに財産があったり、夫婦共有の財産があったりする場合は効果が高い。

「どちらかが先に亡くなり相続が滞ることのないよう、夫婦がそれぞれ配偶者に遺言書を書き合い、法務局などに保管します。加えて、『妻(夫)が先に亡くなった場合は、長男に財産を渡す』など、“予備的条項”を書き足しておけば、遺言書は無効にならず書き直す必要もありません」(曽根氏)

 最近は働く妻が財産を残したり、自宅などの不動産を共有名義にしている夫婦が少なくない。

「財産整理や遺言書作成の際は、夫婦それぞれが元気なうちに情報を共有し、一緒に準備する必要があります」と曽根氏は強調する。

 ひとりになった時のお金の備えは“想定外”を想定しておくことが不可欠だ。

※週刊ポスト2024年6月28日・7月5日号

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