キャリア

最新動向を踏まえた「50代からの転職」虎の巻 “天職”を見つけるための3つのステップ

【ステップ2】自分に合った雇用形態を決める

 オフィスワークを希望する場合、派遣に登録するのが近道。巷に溢れる求人情報の中から、自分に合った仕事に絞り込むアドバイスもしてくれるからだ。

「アデコの場合、ご自身のプロフィールを登録していただいた後に、キャリアプランナーという専任の担当者からお電話をし、インタビューします。これは、直接会話をする中で、単なる条件だけでなく、そのかたの強みや適性を見つけ出すためです。どんなときにやりがいを感じたのかなどを深掘りすることで、自己理解にもつながり、やりたい仕事が見えてきます」

 どうしても正社員にこだわる人も多いという。

「50代だと定年までの残り時間が少ないことがやはりネックですね。過去に例はありますが、先述したような専門的スキルがなければかなり難しいでしょう。

 正社員にこだわるかたに『なぜ正社員がいいの?』と聞くと、『最後のチャンスだから』『もう転職したくないから』という漠然とした答えがほとんどです。でも、正社員は異動もあるし、希望の部署に行けないこともある。主体性が求められ、年齢が上がるほど、評価の目は厳しくなります。

 派遣は、労働者派遣法により、『有期雇用の派遣社員が同じ事業所で働けるのは、最長3年間』というルールがありますが、その3年を真剣に取り組めば次につながる。先のことを心配するより、コツコツと足元を固めることで道が開けると思っています。弊社では70代、80代でも派遣社員として活躍中です。定年後も働けるのが派遣のメリットだと思います」

 技術職や経営経験者には、こんな需要もある。

「技術や人脈を駆使して企業にアドバイスする『顧問サービス』です。たとえば記者さんなら、企業の広報顧問としてこれまでの取材経験をもとに『夏はこんな企画広告を作ると反響がある』といった提案ができるかもしれません」(進藤さん)

 空き時間を活用したい人は、必然的にアルバイトという選択になるが、最近は、1日2時間だけといった「ショットワーク(スポットワーク、ギグワークとも)」という単発仕事も増えている。スキルを問わない単純作業が多いため、シニアの利用も増加中だ。

「しかし私は、一定の時間が取れる人ならアルバイトで長期就業されることをおすすめします。週に2~3日、1時間だけでも、長くシフトに入ってくれることを企業は評価しますから。

 一方のショットワークは、いつ時間が取れるかわからない人が、すぐにお金を稼ぎたいときにはいいのですが、年金の受給が近づいている人は注意が必要です。世帯で月50万円の収入を超えると年金額が減額されてしまうからです。ショットワークだと金額がコントロールしづらく、働きすぎて支給額を減らすことになる場合も」(進藤さん・以下同)

 自分が働く理由をよく考えてみることが重要だ。

「お金よりもやりがいが大事というかたはシルバー人材センターやボランティアをおすすめします」

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