人生100年時代、60才で定年になっても、それから10年、20年と働く人も多いだろう。つまり、50代や60代になってから転職するというケースが当たり前なのだ。そんな“50代からの転職”で失敗しないために学ぶべきは、転職経験者の実体験だ。
総合家電メーカーでイベント企画を担当するRさん(54才・女性)は、外資系外食チェーンやホテル、プラント会社など、さまざまな業種で広報・マーケティング業務に携わってきた。その経験を買われ、元同僚の誘いで外資系の洗剤会社に転職。約7年勤務した後に昨年、54才で退職し、半年前から派遣社員として働いている。働きながらスキルアップし続けている、まさにわらしべ長者的転職術の実践者。そんなRさんに転職について話を聞いた。
Q:転職したきっかけは?
前職の会社の業績が悪くて、広報・マーケティングの仕事をするはずが、慣れない営業事務をやることになったことです。営業の人に「こうしたらいいんじゃない?」と提案したらギクシャクしてしまって……。「つまんないな」と思っていたら会社が移転になったので、通勤するのに遠いことを理由に辞めました。
Q:次の仕事をどのように見つけましたか?
先のことは特に考えずに辞めたのですが、税金や保険料の請求額が大変なことになって。以前も同じような経験をしたのにすっかり忘れていました(笑い)。「とにかくフルタイムで働かないとヤバい!」と、派遣に登録しました。
Q:これまでの職歴がプラスになっている?
派遣会社から働き先をすぐに紹介してもらえたのは、やはり複数の会社で広報・マーケティングをやってきた経歴があったからなのかな。でも、これまでもホームページの制作など、専門外の業務もこなしていたので、業種へのこだわりはないんです。むしろ、新しい仕事を覚えられるなんてラッキーだと思う。