引き取って自宅で保管したいのは山々だったというH氏だが断念した。
「私も妹の家もスペースに余裕がない。よほどの高値が付けば売却も選択肢のひとつですが、ネットで調べても二束三文。さすがにゴミとして処分するのは忍びないので、当面はレンタル倉庫での保管を考えています」
遺品整理を行なう都内の専門業者が語る。
「近年こうした相談が増えていますが、ご遺族がストレスや負担を感じながら形見を持ち続けても、故人は喜ばないのではないか。遺品の“処分”という言葉に抵抗があるのなら、神社やお寺に“お焚き上げ供養”をお願いする方法も。人形に限らず、材質や大きさに問題がなければ受け入れてくださることもあります」
親が愛したペットを守り、想いが詰まった遺品を整理することもまた、子の大切な役目なのだ。
※週刊ポスト2024年8月16・23日号