配偶者の「隠し財産」と「隠れ借金」に注意
前出の相原氏によると、妻に先立たれることを想定して相続対策をしている男性は圧倒的に少ないという。
「自分は妻より先に死ぬと思い込んでいる男性は多く、それどころか妻の財産を把握していないケースが大半です。しかし、実際には妻が“隠し財産”を持っていたり、逆に“隠れ借金”が見つかったりするケースは珍しくない」
隠し財産は妻が夫に隠れてへそくりを貯めているケースだ。
妻が年金やパート代を貯めてそれなりの額になっていて、相続の手続きを終えてから税務署に指摘されることもあるという。
一方、隠れ借金の筆頭がショッピングローンでの買い物である。夫の知らぬ間に妻が銀行口座を作って借金の返済をしていた場合、ショッピングローンの存在に気付かないケースが多いという。
「妻の口座に無頓着で、ローンの状況を把握していなかったという話はよく聞きます」(相原氏)
相続時に妻の死後に借金が出てきた場合は注意が必要だ。負債があった場合でも期限内に相続放棄しない限り、相続人は借金ごと相続しなければならないからだ。
「夫と妻、それぞれで財産目録を作成し、どちらが先に死んでもいいようにそれぞれが遺言書を残しておくことが重要です」(相原氏)
※週刊ポスト2024年8月16・23日号