人づきあいをやめた
妻は“相撲部屋の女将”のような存在で、僕が芸人仲間を自宅に連れてくると食事の席を仕切ってくれたり、人づきあいが上手でした。でも妻が亡くなってから僕は人づきあいをほとんどしなくなった。仕事仲間と飲みに行くことはありますが、その他の交流は避けがちです。
妻に先立たれ、以前の人間関係を無理に維持することをやめました。ひとりになって、本当に大切な人が見えてきたというか。そうした人とのつきあい以外は必要ないと割り切ったら、気持ちが楽になりました。
数少ない、いまも交友がある人は、妻を忘れないでいてくれる人ですね。妻の命日に来てくれたり、お花を送ってくれたり、そういう人とのつきあいは大事にしています。
先日も10回忌に妻の友人が線香をあげに来て、妻の遺影を見て「初美ちゃんはキレイなままね」と言ってくれました。子供たちが入っていた野球チームの父母さんも妻を偲ぶ「はっちゃん会」という集まりを開いてくれます。
無理をせず、これからも妻と一緒に生きていくつもりです。
【プロフィール】
ダンカン/1959年生まれ。お笑いタレント。たけし軍団の一員となり、現在芸能事務所TAPの専務取締役。
※週刊ポスト2024年8月16・23日号