さらに特筆すべきは近年、三菱と三井が「推進力」を強めたことだ。三菱商事は昨年5月に策定した中期計画で、「事業経営へのシフト」を表明した。三井物産も同様に中期計画で、「次世代ビジネス創造への施策継続と自律的取組の促進」を掲げた。前出・山田氏の解説。
「三菱商事は成長の源泉を投資のみに求める発想を転換し、成長力と将来性のある企業の経営を自らサポートする姿勢を打ち出しました。三井物産も『日本を対象とする価値あるビジネスの創造』を謳い、今後は三菱同様に日本の産業を支援していく方針です。
三菱と三井はリスクを取り、日本の産業を支援する姿勢を明確にしました。今後は、三菱と三井が財閥グループの総合力をフルに活用し、日本経済を牽引することが期待できます」
「組織の三菱」と「人の三井」の力が相まった時、黄金時代が到来する──。
※週刊ポスト2017年2月24日号