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ホンダ&日産の「EV連合」に三菱自動車も参画 日本の自動車産業は「トヨタグループ」と「関東連合」の2大勢力に

ホンダの新型EV「N-VAN e:」(時事通信フォト)

ホンダの新型EV「N-VAN e:」(時事通信フォト)

 三菱自動車は2023年度のグローバル販売が約82万台。規模はホンダの5分の1程度だが東南アジアに強く、タイで主力のピックアップトラック「トライトン」などが有名だ。技術ではプラグインハイブリッド(PHV)の評価が高い。実はピックアップトラックやPHVはホンダにはない技術で、「社内では日産よりも三菱に対する評価が高い」(ホンダ社員)との声もある。

 2023年度の3社のグローバル販売を合計すると約850万台。世界首位となる1100万台を売ったトヨタ自動車の背中が見える位置取りができる。

 今回、協業について大まかに合意した分野を見ると、車載OSは人間の器官で言えば「頭脳」、電池は「心臓」、実際にタイヤを動かすイーアクスルは「手足」だ。次世代車の主要機能でがっちり手を握ることになる。

 私は今後、この3社が資本提携にまで踏み込む可能性は高いと見ている。他社幹部からも3社の本社がともに関東にあるため、「資本提携による『関東連合』ができるのではないか」という声が聞こえてくる。

「トヨタグループ」と「関東連合」の2大勢力に

 現に三部氏も「現時点で資本提携の話はしていないが、否定するものではない」と含みをもたせた。内田氏は「現在はWHAT(何をするか)が中心だが、今後それがHOW(どのようにするか)に変化していく」と述べている。

 資本提携にまで踏み込む関係になれば、日本の自動車産業はトヨタとトヨタが出資するスバル、マツダ、スズキ、いすゞといった広義の「トヨタグループ」と、「関東連合」の2大勢力に大きく分かれることになる。

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