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「本当に対等な関係が構築できるのか?」ホンダと日産の“EV連合”への懸念 局面打破のカギとなる三菱自動車の動き

ホンダと日産の“EV連合”で対等な関係が構築できるのか(時事通信フォト)

ホンダと日産の“EV連合”で対等な関係が構築できるのか(時事通信フォト)

 世界的なEV(電気自動車)シフトに対応するため、日本でも協業の動きが加速している。その中で新たな進展があった。3月に発表された日産とホンダの協業検討に、三菱自動車も参画することになり、「3社連合」が形成されたのである。3社の本社がともに関東にあることから「関東連合」とも呼べるが、各社の真の狙いはどこにあるのか。長年にわたり自動車業界を取材してきたジャーナリスト、井上久男氏がその背景をレポートする。【前後編の後編。前編から読む

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■【自動車業界再編を図解】ホンダ&日産の「EV連合」に三菱自動車が参画、トヨタグループと2大勢力時代へ 日産が保有する三菱自動車株をホンダに売却する可能性も

本当は対等ではない

 今回の協業交渉では、6つのワーキングチームができた。その実務責任者に、ホンダは小栗浩輔BEV開発完成車開発統括部長のほか社内で「四天王」などと呼ばれる将来の社長候補たちを配した。

 ホンダの人材起用の発想はかつてゴーン氏が日産を再建する際に、40代の若手を「クロスファンクショナルチーム」の責任者に登用した発想と似ている。会社の将来を支える人材に提携戦略を練らせたのだ。

 これに対し、日産側はゴーン氏が経営トップの頃から役員や理事だった“古手”が実務交渉の責任者となっていたという。

 加えて日産の急速な業績悪化を見たホンダ社内の一部から「このまま手を組んで大丈夫か」という声が漏れ始めたことも、交渉のスピードが遅くなった一因だと見られる。

 日産の2024年4-6月期決算での営業利益は前年同期比99%減の10億円。各社の好業績とは対照的に、8月8日付読売新聞朝刊は自動車大手7社の経営概況で日産だけ「雨」マークを付けた。

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