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「本当に対等な関係が構築できるのか?」ホンダと日産の“EV連合”への懸念 局面打破のカギとなる三菱自動車の動き

 かつて燃費不正データ問題で窮地に立たされた同社を救ったのが日産だった。そんな三菱株が「関東連合」をつなぐ重要な要素になっているのだ。

 ただ三菱自動車の経営は、日産以外に三菱商事や三菱UFJ銀行も一定の影響力を持っている。三菱グループの意向もホンダ主導による3社連合の成立に影響してくるだろう。

 ホンダも日産のステークホルダーを巻き込みながら主導する覚悟が求められる。長期的視点で組まないと、規模のメリットを享受できないはずだ。

 日産の業績がさらに落ち込む前に手を打たないと、アクティビストらが日産に群がり、両社の協業構想自体が白紙に戻ってしまうかもしれない。

(了。前編から読む

【プロフィール】
井上久男(いのうえ・ひさお)/ジャーナリスト。1964年生まれ。大手電機メーカー勤務を経て、朝日新聞社に入社。経済部記者として自動車や電機産業を担当。2004年に独立、フリージャーナリストに。主な著書に『日産vs.ゴーン 支配と暗闘の20年』などがある

※週刊ポスト2024年8月30日・9月6日号

(図解つき全文一気読み)
■【自動車業界再編を図解】ホンダ&日産の「EV連合」に三菱自動車が参画、トヨタグループと2大勢力時代へ 日産が保有する三菱自動車株をホンダに売却する可能性も

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